3大抗酸化物質︰水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、フラボノイド(ポリフェノール)、カロテノイドの効果・違い・食品は?

病気や老化から身体を守る抗酸化力とは?

活性酸素が身体を傷つける原因に

活性酸素は、加齢や紫外線、ストレスなどによって体内で発生する有害物質で細胞を傷つけたり、老化や病気を引き起こしたりする原因となると言われています。

エイジングの要:抗酸化力・抗酸化物質とは?

抗酸化力

抗酸化力とは、体内で発生する活性酸素を除去する働きです。この働きをする物質を抗酸化物質といいます。

抗酸化物質

抗酸化物質は、体内の酸化ストレスと呼ばれるプロセスから細胞を守る化合物です。体内の細胞を活性酸素から守り、活性酸素種を中和・抑制・除去し、老化や病気から身体を若々しく守ってくれる性質があります。

そのため、抗酸化力が高い食品を積極的に摂取することは、健康維持やアンチエイジングに役立ちます。

抗酸化物質の主な役割

抗酸化物質には、以下のような強力な健康維持・活性酸素除去・アンチエイジング効果があります

細胞の保護とアンチエイジング

抗酸化物質は細胞を活性酸素の酸化ストレスから保護し、細胞の老化を遅らせる

炎症の軽減と慢性疾患予防

一部の抗酸化物質は体内の炎症を軽減し、慢性疾患のリスクを低くすることで未然に病気の防止や、悪化を防ぐ効果があります。

免疫システムの強化や疲労回復

抗酸化物質は免疫システムをサポートし、感染症からの回復を助けたり、身体をサビから守り疲れにくくします。

3大抗酸化物質︰ビタミン・フラボノイド・カロテノイドとは

活性酸素を除去してくれる主な抗酸化物質はビタミン・フラボノイド(ポリフェノール)・カロテノイドの3種類あります。以下に役割をまとめました。

3大抗酸化物質の主な役割

項目ビタミンフラボノイドカロテノイド
分類ビタミンポリフェノール色素
化学構造アルコールポリフェノール炭水化物
主な働き抗酸化作用、視覚、細胞分裂、免疫機能抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用抗酸化作用、免疫強化作用

老化を防ぐ抗酸化物質︰ビタミン

ビタミンは、体内で生成できないため、食事から摂取しなければならない栄養素です。ビタミンには、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの2種類があります。

水溶性ビタミン種類

  • ビタミンC
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • 葉酸
  • ナイアシン
  • パントテン酸
  • ビオチン

脂溶性ビタミン

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンK

ビタミンは、それぞれが異なる役割を担っていますが、抗酸化作用を持つビタミンとして、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンAが知られています。

ビタミンC

ビタミンCは、コラーゲンの生成や免疫機能の維持に必要なビタミンです。また、活性酸素を直接除去する作用もあります。

効能は?

  • 細胞の損傷を防ぐ
  • 免疫力を高める
  • コラーゲンの生成を助ける

ビタミンE

ビタミンEは、脂質の過酸化を防ぐ作用があります。血液中のコレステロールや細胞膜の脂質を保護する役割を担っています。

効能は?

  • 過酸化脂質の生成を抑える
  • 細胞の膜を保護する

ビタミンA

ビタミンAは、視覚、細胞分裂、免疫機能などに重要な役割を果たすビタミンです。β-カロテンやα-カロテンなどのカロテノイドは、体内でビタミンAに変換されます。

効能は?

  • 細胞の膜を保護する
  • 視覚を維持する

老化を防ぐ抗酸化物質︰ポリフェノール(フラボノイド)

ポリフェノール

ポリフェノールは、植物に含まれる色素や苦味成分などの総称です。特に抗酸化能力が高いものがフラボノイド類で、フラボノイドのほか、カテキンやエピカテキン、レスベラトロールなど、さまざまな種類があります。

フラボノイド類

フラボノイドは、植物に含まれるポリフェノール化合物の一種です。フラボノイドには、数千種類が存在し、それぞれが異なる構造と機能を持っています。フラボノイドは、抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用など、さまざまな生理活性を持つことが知られていて、果物、野菜、穀物、茶葉などに多く含まれています。

フラボノイド類早見表

種類代表的な成分主な働き
フラボノイド類アントシアニン抗酸化作用 
フラボノイド類カテキン抗酸化作用、抗炎症作用
フラボノイド類イソフラボン、ケルセチン抗酸化作用抗炎症作用、抗アレルギー作用、血管拡張作用

老化を防ぐ抗酸化物質︰カロテノイド

カロテノイド

カロテノイドは、植物に含まれる色素の一種です。カロテノイドには、赤、黄、オレンジなどの色があります。カロテノイドの抗酸化作用は、活性酸素を除去する、細胞の損傷を防ぐ、炎症を抑えるなどの働きがあります。カロテノイドは、果物、野菜、穀物などに多く含まれています。

カロテノイドの種類早見表

カロテノイドには、大きく分けてカロテン類とキサントフィル類の2種類があります。

種類代表的な成分主な働き
カロテン類β-カロテン、α-カロテン、リコピンビタミンAに変換される
キサントフィル類ルテイン、ゼアキサンチン眼の健康維持

3大抗酸化物質の詳細と多く含まれる食品

抗酸化物質の種類と効果と多く含まれる食品

栄養素名称抗酸化作用代表的な食品
ビタミンビタミンC過酸化水素やフリーラジカルを除去する レモン、キウイ、イチゴ、ブロッコリー
ビタミンビタミンE過酸化脂質の生成を抑える 細胞の膜を保護するオリーブオイル、ナッツ類、ごま、かぼちゃ
ビタミンビタミンA活性酸素を除去する 細胞の膜を保護する人参、かぼちゃ、ほうれん草
ポリフェノールアントシアニン活性酸素を除去するブルーベリー、ブドウ、赤ワイン、なす、いちご、黒豆
ポリフェノールカテキン活性酸素を除去する緑茶、紅茶、チョコレート
ポリフェノールレスベラトロール活性酸素を除去する 抗酸化作用、抗炎症作用、細胞保護作用ブドウの果皮、ピーナッツの渋皮、イチジク、サンタベリー
ポリフェノールイソフラボン活性酸素を除去する大豆、小豆
ポリフェノールケルセチン活性酸素を除去する玉ねぎ、ブロッコリー、赤ワイン、ココア、りんご
カロテノイドβ-カロテン、α-カロテン活性酸素を除去する人参、かぼちゃ
カロテノイドリコピン活性酸素を除去するトマト、スイカ、ピンクグレープフルーツ
カロテノイドルテイン活性酸素を除去する 網膜を保護するほうれん草、ブロッコリー、卵黄、とうもろこし
カロテノイドアスタキサンチン活性酸素を除去する鮭、カニ、えび
カロテノイドゼアキサンチン活性酸素を除去する 網膜を保護するほうれん草、パパイヤ

豆知識 超強力な抗酸化力を持つアスタキサンチン

アスタキサンチンは、カロテノイドの一種で他に類を見ないほどとても強力な抗酸化能力を有しており、ゼアキサンチンと関係が深い抗酸化物質です。

アスタキサンチンは、以下の2つの種類に分けられます。

天然アスタキサンチン

サケやエビ、カニなどの魚介類、藻類などに含まれるアスタキサンチンです。天然アスタキサンチンは、主にカロテノイドの一種であるゼアキサンチンを原料として、微生物によって合成されます。天然アスタキサンチンは、合成アスタキサンチンよりも抗酸化力が強いとされています

  • ナノアスタキサンチン

天然アスタキサンチンをナノサイズに加工したものです。ナノサイズに加工することで、体内での吸収率が向上するとされています。

合成アスタキサンチン

化学反応によって合成されたアスタキサンチンです。合成アスタキサンチンは、安価で大量に生産できることから、食品や化粧品などに広く使用されています。

まとめ

ビタミン、フラボノイド、カロテノイドは、それぞれ異なる構造と機能を持ち、さまざまな食品に含まれています。抗酸化物質を積極的に摂取することで、美容や健康維持に役立つと考えられています。ぜひ、毎日の食事に抗酸化物質をたっぷり取り入れてください。

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