「健康のためにジュースを選んでいる」──そう思っている方も、肝臓には思わぬ負担がかかっているかもしれません。肝臓は体内で栄養を代謝し、毒素を解毒し、脂肪を管理する重要な臓器です。しかし、自覚症状が出にくく、知らないうちに負担が蓄積してしまうことがあります。
今回は、アルコールとジュース、特に果糖を含む飲料が肝臓にどのような影響を与えるのか、日常生活でできる工夫やサプリでのサポートについて、わかりやすく解説します。
肝臓の働きと負担がかかるとは?
肝臓は「代謝」「解毒」「栄養の貯蔵」「胆汁の生成」など、多くの働きを担う臓器です。特に脂肪やアルコール、糖質の代謝は肝臓が中心となります。肝臓に負担がかかると脂肪がたまりやすくなり、肝酵素の数値が上がります。放置すると脂肪肝や肝硬変に進むこともあります。
肝臓は自覚症状が出にくい「沈黙の臓器」と呼ばれています。疲れやだるさ、食欲不振などの軽い症状がある場合でも、肝臓の負担は徐々に蓄積している可能性があります。
アルコールと果糖:肝臓へのダブルパンチ
肝臓は体内の“化学工場”として、アルコールや糖質の代謝を主に担当しています。アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解され、さらに酢酸として体外に排出されます。この過程で肝臓の解毒機能や脂質代謝に負担がかかります。大量に飲むと、脂肪肝や肝酵素の異常、慢性炎症の原因となります。
甘いジュースや手絞りの100%果汁ジュースに含まれる果糖も、肝臓に大きな負担をかけます。果糖は吸収が早く、腸から血液を通って肝臓に直行するため、肝臓で急速に代謝されます。使い切れなかった余分な果糖は中性脂肪に変わり、肝臓に蓄積されやすくなります。このため、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)や肝酵素の上昇リスクが高まります。
食物繊維が含まれる果物をそのまま食べる場合、果糖の吸収が緩やかになり、肝臓への負荷は少し抑えられます。しかし、ジュースにしてしまうと食物繊維がほとんど残らず、果糖は一気に吸収されるため肝臓への負担は増加します。手絞りジュースでも同様です。
アルコールと果糖を同時に摂取すると、肝臓はダブルで負荷を受けます。例えば夕食時にウイスキーを飲みながらフルーツジュースを飲むと、アルコールの分解と果糖の代謝が同時進行し、肝臓の働きがより大きく消耗されます。日常的な飲み方では、果糖入り飲料は「特別な日の楽しみ」として取り入れ、アルコールも量と頻度を意識することが大切です。

アルコール量の目安と計算方法
肝臓への影響を考える上で大切なのは「純アルコール量」です。飲み物の見た目だけで判断すると、実際の負担量を見誤ることがあります。
計算式:純アルコール量(g)= 飲料量(ml) × 度数(%) × 0.8 ÷ 100
具体例(表でわかりやすく)
| 飲料 | 量 | 度数 | 純アルコール量(g) |
|---|---|---|---|
| ビール | 350ml | 5% | 14g |
| 中ジョッキビール | 500ml | 5% | 20g |
| ウイスキー(ストレート) | 30ml | 40% | 9.6g |
| ハイボール | 150ml | 7% | 8.4g |
目安として、男性は1日20~30g未満の純アルコール量が安全範囲とされています。女性は男性の半分程度が目安です。アルコールの種類や量を正しく把握することで、肝臓への負担をコントロールできます。
肝臓を守るための生活習慣
- 果糖入り飲料を控え、無糖のお茶や水を中心にする
- 週に2日以上の休肝日を設ける
- 良質のタンパク質やビタミン、抗酸化物質を意識した食事
- 有酸素運動で内臓脂肪・肝脂肪を減らす
- 必要に応じてサプリでサポート(しじみエキス、ウコン、オルニチンなど)
おすすめサプリ&商品(表形式)
| 商品名 | 主な成分・特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
| DHC 肝臓エキス+オルニチン | 肝臓エキス(豚肝由来)+オルニチン配合。飲酒頻度が高い人向け。 | |
| ファイン 金のしじみウコン肝臓エキス | しじみエキス+ウコン+亜鉛配合。抗酸化とミネラル補給。 | |
| オリヒロ しじみ牡蠣ウコン入り肝臓エキス | しじみ+牡蠣+ウコンの組み合わせで日常をサポート。 | |
| 湧永製薬 特肝錠 | 医薬品寄りの成分配合を検討している方向け(使用前は医師相談推奨)。 |
※サプリは補助的な選択肢です。持病や処方薬、妊娠中・授乳中の方は使用前に医師や薬剤師に相談してください。
まとめ
肝臓は体の化学工場であり、私たちの健康を守る重要な臓器です。アルコールも果糖入り飲料も、量と頻度が肝臓への負担を左右します。飲み物を記録し、果糖飲料は週に1回程度に制限する、休肝日を設ける、食事や運動でサポートするなど、小さな改善が肝臓を守ります。サプリはあくまで補助として活用し、定期的に肝機能検査を受けることをおすすめします。


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